こんにちは、一(イチ)です。
高級ブランドの戦略なんて
個人には関係ないと思われるかもしれません。
個人のブランディングが
” ネットビジネスの収益に反映すること ”
を知っていても
大企業の高級ブランドの戦略なんて
関係ないと思うかもしれません。
もちろん大企業と個人のやりかたは違います。
ですが、
情報を戦略の核になる部分までそぎ落とすと
昔から言われている基本的な教科書どおりの
戦略だったことがわかります。
そのブランド戦略を使って、
(もちろん、それだけではないですが)
コングロマリットを作り上げたのが
ルイ・ヴィトンです。
※コングロマリット=巨大な複合企業
改めて
ブランドがどれほどの力を持っているのか、
ベーシックな戦略ならば、
個人のブランド戦略に当てはめられないか、
ルイ・ヴィトンを例に考えてみました。
カシミアを着た狼
LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)の
会長兼最高経営責任者(CEO)は
ベルナール・アルノー氏。
1989年に就任したとき、なんと40歳という若さでした。
その後、買収を繰り返し
現在傘下に60社、75のブランドを持つ
巨大な複合企業(コングロマリット)
を築き上げ、更に拡大し続けています。
野心を隠さない彼を
人は「カシミアを着た狼」と呼びました。
2022年にはイーロン・マスク氏を抜いて
世界一の大富豪となったニュースを
ご存知の方も多いと思います。
実はこの方、不動産業者でした。
なぜ、ファッション業界のブランドを欲しがったのか?
インタビューで答えています。
「70年代、初めてニューヨークを訪れたとき、
空港からタクシーに乗り、
フランスのことを少し知っているという運転手と話をした。
フランスの何を知っている?
大統領の名は?
運転手は
『大統領は知らない。
でもクリスチャン・ディオールなら知っている。』
と答えた。
これにはハッとした。ここにこそ可能性がある」
(出典:長沢伸也『ブランド帝国の素顔』
(日本経済新聞社)2002年。一部を省略して引用)
アメリカのタクシー運転手にとって、
「フランスといえば、クリスチャン・ディオール」
ディオール氏は亡くなっているのに
名前は栄光を失わず世界で輝き続けている。
『ブランドが持つ力』の将来性
を嗅ぎ取ったアルノー氏は、
誰でも知っているブランドを手にすることが
ルイ・ヴィトン帝国を作り上げる
足がかりとなることを
確信したのではないでしょうか。
実際、ブルームバーグ通信の
ビリオネア・インデックスによると、
2022/12/13付で資産は1710億ドル(約23兆円)
となり、
イーロン・マスク氏の1640億ドルを上回りました。
その前の週には米誌フォーブスの
リアルタイム長者番付でも、
イーロン・マスク氏をトップの座から
転落させました。
ブランド戦略のポイント
ルイ・ヴィトンが傘下に抱えたのは、
- ディオール
- ジバンシー
- フェンディ
- ロエベ
- セリーヌ
- ケンゾー
- ゲラン
- タグ・ホイヤー
- ドン・ペリニヨン
- クリュッグ
- ヴーヴ・クリコ
- ヘネシー
- 免税店のDFSグループ
etc・・・
ファッション・コスメ・時計・お酒など
誰もが聞いたことのある高級ブランドです。
シャンパンのシェアは日本で70%を占めています。
ルイ・ヴィトンの始まりは、
旅行鞄(トランク)の製造です。
4度の万国博覧会に出展、
初回パリの出展では銅メダルを
2度目の出展では金メダルを獲得し、
スペイン国王やニコライ2世などの王侯貴族から
発注されるようになりました。
ゆるぎない高級ブランドの確立です。
1914年にはパリのシャンゼリゼ通りに
世界最大のトラベル・グッズ専門店を
オープンするに至ります。
ブランド戦略は教科書通りの
『4Pベース』
4Pとは、
- 製品:Product
- 価格:Price
- 流通:Place
- プロモーション:Promotion
この4つの要素を『売り手側目線』で整理するものです。
①製品
ルイ・ヴィトンのProductとは、
最高の素材を一流の職人が
手仕事で作り出す製品です。
モノグラムは日本の家紋に触発されていたり、
どの製品にもストーリー性があり、
作り手が良いと思うものを提供する
(=プロダクトアウト)
というこだわりがあります。
②価格
ルイ・ヴィトンのPriceとは、
すべての顧客に対して同じ価格で販売することです。
創業から160年以上、
一切の値引きセールは行っていません。
セールを行わないことにより
プロダクトアウトの価値が維持されています。
顧客に対する安心と信頼を得ることで、
満足度の向上にもつながります。
③流通
ルイ・ヴィトンのPlaceとは、
直営店のみでの販売体制です。
直営店のみで製品を取り扱うのは、
中間コストを抑えるというよりも
高級ブランドならではの課題となる
「贋物駆除の徹底」
という目的のほうが大きいと考えられます。
事実、万博出展以降、贋物に悩まされています。
直営店のみの販売は、
安心と信頼という付加価値を与えます。
さらにプレミア感や
気持ちの高揚にもつながるので、
コアなファンの獲得、
より高いレベルのブランディングに役立っています。
④プロモーション
=製品、サービスに対する意識や関心を高め、
購買を促進するメッセージのこと
ルイ・ヴィトンのプロモーションは、
あえて広告や宣伝を出さないことで
ブランドのアイデンティティを守っています。
ルイ・ヴィトンのアイデンティティとは
価値を理解し、支持する顧客に届けることです。
そこで、マスコミやVIPを招待した
パーティやイベントを開催することで
マスコミが一斉に取り上げるような
話題を提供し広告や宣伝以上の効果を得ています。
CMは出していますが、ショートムービーのような趣で
一般的なブランド戦略とは一線を画しています。
ルイ・ヴィトン 30秒のCMです。
慣習に染まらない8つのポリシー
1. セカンドラインを持たない
ルイヴィトンの価値を下げてまで
普及させる考えはありません。
業界用語なので簡単に説明しますね。
・ファーストライン:本国で全て製造されたもの
・セカンド・ライン:他国で半分を委託生産、本国で最終仕上げしたもの
・サード・ライン :全て他国で委託生産されたもの
国外で安く作り、それに手を加えることで
量産、コストカットができますが
ルイ・ヴィトンはあえて
ファーストラインのみを貫いています。
2. ライセンス契約はしない
ルイヴィトンは利益第一主義ではなく、
ブランド価値を重視しているため、
ライセンス契約は一切行っていません。
ライセンス契約を簡単に言うと、
「お金を払えば、ルイ・ヴィトンの看板で
お店いを開いていいですよ。」
っていうことです。
例えば、あるコーヒー店の場合、
初期費用 約850万円
他に本人がテナントとして借りるスタイルなので
テナント料と、改装費が別途かかります。
つまり、企業としては
高い利益が期待できるので魅力があります。
それをあえて行わないのは
先に述べたとおり
ブランド価値を重視しているからです。
3. アウトレット品を出さない
ルイ・ヴィトンはアウトレット品を出しません。
アウトレット商品とは?
英語で「出口」という意味。
その定義は、
シーズン中に売り切れなかった商品や
キズ物、サンプル品などを
直接メーカーが割引価格で販売すること。
アウトレットになるのは
在庫あまり、キズものの他に
サンプル品やアウトレット専用商品などです。
ルイ・ヴィトンはアウトレットを出さないために、
職人育成、生産管理を徹底しています。
4. 割引セールはしない
先に書いたとおり、創業から160年以上、
一切の値引きセールは行っていません。
『値段を下げて売るような製品づくりはしない。』
このポリシーが、顧客の安心感と信頼につながります。
5. ニーズを先読みする
ルイ・ヴィトンはあくまでプロダクトアウトなので
ニーズになる前の流れを読み、
常に最先端の製品を手掛けています。
6. 制作工程に見合っただけの価格設定にする
ルイヴィトンの製品は、
最高品質の素材からひとつひとつ職人の手によって
作り出されています。
製品価格は、素材や工数にかかったコストの分が
販売価格に反映されているだけなので、
利益を上げるために高額ということではありません。
7. CMは打たない
マスコミやVIPを招待した
パーティやイベントを開催することで
話題を提供しています。
8. 直営の販売員しか雇わない
購入時の体験からも
ブランド価値を維持・向上させるため、
ルイヴィトンの販売員は、
自社で研修を受けた人に限定しています。
まとめ
創業当初からプロダクトアウトにこだわり
守り抜くことで現在のポジションを獲得しました。
そのベースは基本的な
教科書どおりの4Pによるブランド戦略と
8つのポリシーです。
製品の価値を守りながら
こだわりを見極め、
ポリシーに基づく戦略を貫く点は
どのビジネスにも応用が利くのではないでしょうか?
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